知識人と美容師を繋ぐソーシャルウェブマガジン

美歴マガジン記事一覧 » ビジュアルは言語 「不幸そうな人は本当に不幸か?」
2014.04.03 Thu
ビジュアルは言語 「不幸そうな人は本当に不幸か?」
「近づきたくないくらい不幸そうな人」って、あなたの周りにいないだろうか?

“その人”と居ると、自分にまで不幸が忍び寄ってくるような……
“悪い人”じゃないのに、できればお近づきになりたくない。不幸そうな人とは、そんな雰囲気のある人である。

私たちが人の第一印象から入手する情報は、意外なほどに多く、初対面で得た印象は、潜在レベルであなたの意識に記憶され、一生変わらないのだという。
だから、できれば「あいつ、不幸そうだよな」とか「なんか、幸薄いよな」とか言われないように生きたほうが良さそうだ。
ここで、顔のプロフェショナルとしてこの「不幸そうな人」を分析してみると、不幸に見えることには“ロジック”が存在していることに気づく。

そのロジックをマトリクスで解説しよう!
先ず、不幸レベルというものが横軸で存在し、左にいくほど不幸レベルが増し、右にいくほど幸せレベルが増すと捉えていただこう。
次に不幸のアクションレベルが縦軸。上にいくほど「攻撃的・躍動的」で下にいくほど「静寂的・内向的」と捉えると想像できるろうか(笑)。

ここで、前回のコラムに登場頂いた、アンジェリーナ・ジョリー(アンジー)を例に見てみよう。
99年公開の『17歳のカルテ』ころのアンジーなら、ブラッド・ピッド(ブラピ)に出会っても、きっと恋になんか発展しなかったであろう。
マトリクス上では完全に左上に位置していらっしゃり、「高不幸レベル×攻撃的」となる。
ここに位置するためには大胆なクマ、肌と髪の“パサッと感”が必要になる。
メイクは血色のない、モノトーン仕上げに「笑顔」ではなく「不適な笑み」という組み合わせが重要、といった所だろうか……。

ファッションでの「モノトーン」はアリだが、顔でのモノトーンはこんなにも、頂けないものか……というか痛すぎる!
15年前のアンジー様はこんな感じだった。
このレベルでは「不幸の空気感染」というよりは、直接的に触れることで暴力的に伝染する「目に見えた不幸感」が高いので、接触を避けられてしまうのである。

次に、その対極にあるのが「高ハッピーレベル×静寂的」。
いわゆる、清楚なお嬢様美人に位置していらっしゃるのは、これまた『17歳のカルテ』で主演女優だったウィノナ・ライダー(ウィノナ)だ。
当時、“かわい過ぎる!”と売れまくっていたウィノナ嬢は、日本人にはなかなか手の届かない、ナチュラルなウェーブが印象的なショートヘア。
現代のアン・ハサウェイ(映画『レ・ミゼラブル』)レベルの、そのキュートなヘアスタイルはウィノナ嬢の大きな瞳を、よりキラキラと輝かせたし、仕上げのメイクは、真っ白で毛穴レスな艶肌を全開で活かした、難易度高めの透明感メイク。
とにかく、信じられないほどキュートで魅力的だった。
だから、当時『17歳のカルテ』がアカデミー賞でノミネートされた時、主演女優賞のオスカー像はウィノナ嬢の手中に収まる! と、誰もが期待し、確信していたに違いない。

ところが、もう皆さんご存知だろう。オスカーはアンジー様の手中に収まり、ここからアンジー様の大躍進が始まったのだ。
大胆なクマは消え(ついでに色んなトコロのタトゥーも)、全身はみずみずしく潤い、ゴージャスなボディに品格と知性がプラスされた。
そしてマトリクスでは右上「高ハッピーオーラ×躍動的」に鎮座(ちんざ)されたのである。

ところが、現在のウィノナ嬢は、昔の面影がいっさい消え、“不幸オーラ全快”の売れない女優へと転落した。瞳からは潤いと光が消え、常に焦点は定まらない。
「一体、どこを見ているの?」と、(遠慮がちに)つい聞きたくなってしまう。
最大のチャームポイントだった大きな瞳は「目が合うと不幸が(空気)感染しそう」といった具合だ。
このレベルは空気感染なので「目に見えない不幸感」が、さらに我々の恐怖心をあおるのである。
これが冒頭の「近づきたくない、不幸そうな人」の代表的イメージにあたる。
では、この最も避けたい不幸感はどこからやって来るのだろうか?

メイクアップではマストで「絶対に明るく仕上げる場所」というのが顔の数カ所に存在するのだが、「不幸な顔」「幸薄い顔」というのは、得てして、この部分が全て暗いのだ。
現在のウィノナ嬢のお顔は、まさに明るくあるべき部分が全て暗い。
長年、拒食症というウワサもあるが……極度に痩せた顔や、顔の上の暗い影は人に“死”をイメージさせてしまう。

そこで私は「幸薄い系」の女子が(セミナーなんかに)やってきたら、“メイク上手”などを目指すのではなく、最低限「顔に生命力を宿すテクニック」だけを、しつこく教えるようにしている。
このように「不幸感」も「ハッピーオーラ全快感」も、やはり顔を通じて相手に、言葉のように、瞬時に伝わってしまうのである。
だから要(かなめ)は、シンプルで「第一印象はどこからやって来るのか?」を美容のプロとしてあなたが知っておけば、ウィノナ嬢のような人を救えるのだ!

最近の、マイブーム的(個人的)な言葉で申し訳ないが、

『やっぱり、美容は人を救う!』

のである。

この記事の著者

永島 吏枝子 株式会社Know Who代表/ビューティーキュレイター

19歳で単身LAへ渡米。現地でのアシスタント活動中、ウォルト・ディズニー夫人のハンドケアを手がける。世界トップクラスの名声、名誉を手にした彼女から「最終的に幸せを感じるのは、自分が女である事を自覚できる瞬間である」といった類いの言葉をかけられ、美容業界で生きてゆくことを決意する。
また、国外の美容文化に触れる中で、現在のワークコンセプトである「メイクを楽しみ、相手の反応を主体的にコントロールする」 セルフブランディングの考え方が生まれる。 
帰国後、美容アカデミーのディレクターに就任。

現在までに一般女性の美を担う美容家の指導に約10年従事する。
2007年株式会社Know Who設立、代表に就任。
2012年ファッション誌 ELLE JAPONが運営するオンライン誌(ELLE ONLINE)にて独自の美容メソッドを連載展開中。同サイト内のELLE ON LINE STAR BLOG【日本女子はトレビアンでシルブプレ♬】にて、情報発信中!

株式会社Know Who
URL:http://www.know-who.jp/index.html/