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2014.09.09 Tue
『見えてる世界がすべてバイアス。』
みなさん、こんにちは。
美容師名鑑編集部 Bireki Magazine編集部 石渡です。
今日も全国で美容師さんは勉強に励んでいるんでしょう。
私ももっと勉強しないといけないなぁ。
なんて。
今日は思い出話。




私が生まれた池袋は、その昔、
なかなかバイオレンスな街でした。
そんな池袋からもっとも近い場所にあった
私が通う中学校も、当時のご多分に漏れず、
それはそれはスクールウォーズな学校でした。

私が入学する前の年まで、
校舎の窓には鉄格子がしてあったらしく、
廊下には煙草の吸殻が捨ててある有様だったとか。

私の世代は落ち着いたとはいえ、
どこの学校が池袋を牛耳るか、
学校同士で同盟を組んで喧嘩したり、
殴り込みをかけたり、縄張り争いをしたり……。
今思えば、どんな世界だ、ここは、、、って環境。

一応、優等生だった私は(笑)、
(なにせ、生徒会長だった!)
そんな荒れまくる学校運営をどうするか、
いや、アバンギャルドな学校生活をどう乗り切るか。
それはそれは考えた。

なんだかんだ言っても中学生だし、
当時の不良なんかは、自分たちなりの正義みたいな、
筋道みたいなものは持っていて、
それに外れなければ、理不尽なことはしない世代。

校内でからまれたり、
いきなり殴られそうになることがあっても、
「何の理由があってそうするんだよ?」
「お前が殴るなら、俺にも殴らせろ」
的な、賢そうで嫌われるタイプの論理を用いて
彼らと渡り合ってきたものです。

ま、そりゃ、ときには悪さもしたけど、
それは、その乱世を生き抜くためで……。

今になって思い返せば、
ヤツラにその気はなくても、
あれは一歩間違えればイジメに繋がっていたのかもしれない。

私がイジメだと感じればイジメになっていたのでしょう。
当時の私は「もう嫌だ」って思っていたかもしれないけど、
イジメられている感覚はなかったし、
ヤツラにもその意識はなかったはず。

でも、でも強い嫌悪感が生まれる出来事はたくさんあった。

思い起こせば、あのころは、
目の前にある世界がすべてで、
そんな状態が一生、続くような気がしていた。

本当は、世界はもっと広くて、
中学校の3年間が終われば、
この過酷な状況から抜け出すことができるかもしれない。

そこまで思いが至ることはなかった。



先日、「美容師を辞める」という若者と話をしました。

片方だけの主張だから、それが正しいかわからない。
でもその人の話を聞くだけなら、お店の上司や先輩の、
その考え方、意見、方法が、うん、やはりおかしかった。

辞めると言った人は、とても若い人だった。
たしか20代半ば。

その人が見えている世界は、
そのサロンのなかだけだったのかもしれない。

ほかにも美容室はいくらでもあるのに、
美容室業界だけを見ても、ほかにも職はあるのに、
そんな可能性を勧めてみても、
「もうこの業界で働きたくない」
と言うのです。

これは、ある種の罪だな、

って思ったのです。


ただ、もしかしたら、私も知らず知らずに、
同じようなことをしてきてしまったのかもしれません。

歳を重ねるごとに、
経験が積み重なるごとに、
他人に対する影響力ってついてしまって、
その波動を受ける人にとったら、
大きな波紋を生み出してしまうかもしれない。

私は美容師という仕事に、
尊敬と憧憬の念を強く持っているから、
その若者と話して、
説得しきれなかった自分が情けないし、
切ないなぁ、と思った。

先日、夢についてのコラムを書きましたが、
夢のなかにいる
なんて偉そうに言うのであれば、
それを誰かに見せる、感じさせてあげることが
それができなければ、夢のなか、なんて
言えないなぁ、と感じさせられた一日でした。



株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部・BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣