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マーケティングはもっともらしい言い訳なのかもしれない

手法の情報が過多になったら、原理原則に戻る

最近、ダニエル・カーネマンの書籍を読み返していて、ふと気づいたことがあります………

ダニエル・カーネマンは、経済学と心理学を融合させ、20年ほど前にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の第一人者です。詳細は、ぜひ彼の書籍を読んでみていただきたいのですが、『ファスト&スロー』の序盤で人間の思考を”システム1””システム2”と区別して解説しています。人間は直感=システム1にて判断することがほとんどであり、熟考=システム2で選択することはとても少ないということです。このシステム1には”バイアス”(一定の偏り)がかかっていることで論理的に結論を導き出されたわけではない、というものです。ここから有名な「プロスペクト理論」や「ピーク・エンドの法則」などが生まれてきました。これら人間による認知行動は、今から20年以上前にすでに実証されているものであるだけでなく、そのころと今も人間の行動原理は変わっておらず、だからこそ、ノーベル経済学賞を受賞して、今も多くの経営者たちから信頼される学者であるのだと思います。

 

手法にとらわれすぎてやいないか

さて、”ふと気づいたこと”に戻りましょう。
マーケティングの勉強をちょっとして、なんとなくわかり顔で記事を書いたりしていますが、、、(このことはそれで重要だと思っていて、実際の現場で生かされているのですが)、何かの方法を検討するときに、自分の深層心理のなかで意外と重要視してきたことがある、ということに気づきました、それが……

 

人はそれほど考えて行動していないということ。

いや、考えているのですが、そのタイミングが問題で、マーケティングが生かされるのは、まさにそのタイミングではないかと。先ほどのシステム1のように、人は何か行動を起こす時に直感で動きます。その直感とは、一般的に多くの人が持っているもの、そしてその人の経験や環境から影響をもたらされるもの、などがあると思われます。多くの人は「損をしたくない」と思っているので、直感的に損をしないものを選ぶ、自分が好きなものには、論理的な思考を挟まずに多額の投資をしてしまう、などがその現象だと言えると思います。他人の行動に対して、冷静に意見を言えるのは、直感的に選んでいないからだと思います。何か相談を受けると、論理的に解決しようとする傾向があり、だからこそ冷静に分析して論理的に回答を導き出そうとする。それはシステム2と言われる遅い思考なのですが、システム1とシステム2の間には大きな隔たりが生まれます。

 

となると、今、実際のビジネスの現場で、消費者と対峙するとき、私たちはどのように対応するべきなのか、ちょっと考え直してみる必要があるのでは、と思うようになりました。
簡単に言ってしまえは、こうなります。

 

直感的に欲しいと思わせるようにシステム1に働きかける

その行動の言い訳を用意しておいてシステム2に与える

 

日本語で言い訳というと悪いことをしているときに使われますが、論理的な裏付けを与えるといいましょうか。
このサービスを受けたこと、この商品を買ったこと、何かしらの行動をしたこと、これら直感的な行動に対する論理的な裏付けを。
美容室にいって髪型を変えてみた、カラーを思い切って変えてみた、そのときは直感的なシステム1による行動です。いくら美容師さんがその良さを説明しようと思っても、それは判断にはそこまで影響しません。なぜなら自分では判断できないからです。
もし影響を及ぼそうとするのであれば、説明をする前に終わっています。例えば、超有名な美容師だ、とかSNSでみんなが施術を受けたがっている美容師だとか、かっこいいとか可愛いとか、そんな直感的なことであれば、システム1において判断することができます。

この直感的に選択した髪型をチェンジするという行動に対して、人は不安を抱いています。本当に良かったのか、と。これに対して、システム2で論理的な裏付けを与えてみたらどうでしょうか?例えば、レセプションさんが、「スタイルチェンジしましたね!今、人気のヘアスタイルで私の周りの女子たちもそうなりたいって言ってるんです」みたいに、美容師さんではない一般人であるレセプションさんが、あなたのスタイルチェンジを認知して、賞賛してくれたら、それはひとつの論理的裏付けになると思います。

これを施術前のカウンセリングの段階で認知してもらうのは相当なテクニックが必要となります。恐らく、そのスタイルの素晴らしさよりも、言い訳を与えてあげることのほうが大事だと思います。この髪型にしてもいいんだ、というお墨付きです。きっと素晴らしいテクニックの解説よりも、ほかの人の常識からはずれていない(もしくははずれている)という、その消費者が納得する言い訳です。

消費者は頭の中で、直感的にいいと思っていても、それに対してシステム2の思考が始まります。商品を、サービスを、デザインを説明するときには、段階的にシステム1、システム2とタイミングを見計らいながら階段を登ってもらうことが大切なのだと思います。

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