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美容室業界は自動車業界の動向をつぶさにチェックしたほうがいい理由

2020年版の世界自動車メーカー販売台数ランキングが出ました。
今年もVWが首位になりました。トヨタもこのコロナ期にあって徐々に販売台数を伸ばしてきています。

【2020年版】世界自動車メーカー販売台数ランキング|VWが4年連続の首位をキープ
(2020年9月16日MONOist より)

自動車が不要と感じるように、カラーも不要と感じる人が増えている

なぜ、美容室業界が自動車業界の動向をチェックした方がいいかというと、美容も自動車も、それぞれの業界が提供するサービス・商品が、それぞれを購入する消費者のマインドセットに類似点が多いからです。
テスラ・モーターズが登場したあたりから、車に対する人々の認識は徐々に変わり始めてきました。それまでは、移動手段であり、趣味の世界であり、車自体に魅力を感じてきました。しかし、環境問題が世界的にクローズアップされてくると、「運転すること」がネガティブな行為とされるようになりました。あらゆるモータースポーツはエコに関心を示していると表明し始め、世界中で排ガス規制がより厳しくなりました。そこに登場したのがテスラ・モーターズです。彼らのEVはそれまでのエコカーのレベルを大きく超えていて、乗り心地、加速性や高級感など、あらゆる面で既存の車を飛び越えました。ガソリン車であることのメリットを一瞬で飛び越えていったのです。

このような前提があり、人々は、自動車を乗り物というだけでなく、ライフスタイルの一環、もしくは存在意義のひとつ、と認識するようになりました。カーシェアなどのサービスが世界中ではじまったり、自転車の需要が高まっているのもその証拠でしょう。ライドシェアやウーバーのように、いかに今ある資材を共有してサスティナブルな生き方をするか、が世界中の人々の関心事です。
そして新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、移動の制限が生まれました。そんなとき、車であれば、閉鎖空間で、ひとり、もしくは家族だけであれば、移動できるという状況が生まれました。まさに自動車を楽しむのではなく、空間を、ライフスタイルを持ち運ぶということに主眼が置かれるようになりました。

自動車業界のCMに目を向けてみます。最近では木村拓哉氏が出演している日産のCMが好評だそうです。キムタクのかっこよさと、車のスマートさが押し出されています。また日産のCMだけでなく、ほとんどの自動車のCMに機能をうたうものはなくなりました。あるとすれば、センサーがついていて、前後左右が安全に監視できる、くらいのもの。自動運転のCMも少し前は物珍しかったですが、今ではそれほど珍しくも無くなりました。
となると、多くの自動車という商品は機能で比較できなくなり、それぞれの自動車会社、それぞれの車種が持つ世界観をいかに表現するか、共感してもらうか、が重要なファクターになってきています。

 

大きな買い物の自動車と生活の一部である美容室はとても似ている

では、なぜこの自動車業界の動きと美容室業界の動きをリンクさせて考えないといけないのか。

私はこれまでの40数年間の人生で車を所有したことがありません。都市部に住んでいるという環境的な要素が大きかったのだと思います。若い頃は、車に憧れましたが、年を重ねるにつけて、その憧れはなくなりました。昔であれば、移動手段として車があった方が便利でしたが、今では、先ほどのライドシェアサービスなどもあるので、所有する意味合いが弱くなっています。残念ななことに、愛車を眺めて満足するほど稼いでもいません。
つまり機能としての必要性は、ほかのサービスが十分に果たしてくれているのです。
髪の毛はどうでしょうか。
極端な話をすれば、自分で髪の毛を切って、自宅で染めることもできます。機能性だけでいえば、ほかのもので美容室は代替できてしまうのです。つまり自動車と同じように(同じではないですが、、、)、そのもの自体の機能というよりも、いかにライフスタイルに根付いていくか、ということが大事になってきているのです。

 

例えば、中国の自動車業界のスタートアップは何をしているかといえば、彼らが重視しているのは、自動車を購入した後です。EV車を購入すると大変なのが充電です。帰宅して、家のレベルの電力量ではかなりの時間を要します。中国の場合は、国土が広いので、外出するとかなり時間がかかります。そんなとき、出先で充電が切れることもある。そのときにどこで充電するのか。。。その自動車会社では、事前に予約をしておけば、近くまで充電車が来てくれて充電しておいてくれるのです。またメンテナンスも同様に、事前予約でどこででも対応してくれます。これは何を意味しているかというと、大きな買い物である自動車を購入するのは数年に一度、であるならば、その間の数年間も一緒にお付き合いしようというビジネスモデルです。

髪の毛を切ったり、染めたりすることは、もうちょっと気楽で、もっと生活に身近なものですが、車との価格差を考えると、来店していない3ヶ月(コロナの影響でもっと伸びてる?)は、同じくらいの感覚になるのではないでしょうか。つまり、車を購入してから買い換えるまでの期間の重要性と、髪の毛を切ってから、次に来店するまでの期間の重要性は同じだということです。その間に、ビジネスチャンスが隠れていて、そこに顧客からすれば高いニーズがあるはずです。

またテスラの車を乗ることの意義は環境への配慮です。もちろん乗り心地も大きな要素だと思いますが、新しいことにチャレンジしているメーカーを応援したいというマインドはかなり大きいと思います。これも消費者の誘導に大きな要因となっていると思います。機能性を超えた、社会的重要性が商品の価値を高めています。

消費者のマインドはどんどん変化しています。特に大きな買い物であり、現代経済の中心でもある自動車産業はその影響を大きく受けやすいものです。だからこそ、いち早く消費者の心の動きに対して敏感に行動しています。この動きは、美容室という、消費者の生活に身近な私たちにとっても大きく参考になるものだと思います。

 

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