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 有料 2015.04.08 Wed
『10年以内に突入する”美容師大格差時代”における状況予測。』




昨年の記事で、
”10年後になくなる仕事”について書いた。




最近のTEDなどを見ていて、
この動きが加速している気がしたので、
改めてコンピューターに代替される”業務”について、
再考察してみたいと思った。


アメリカのある大手弁護士事務所では、
弁護士は2つのステージに分けられる。

ひとつは法廷に立つ弁護士
もうひとつは、資料をチェックする弁護士だ。


”資料をチェックする弁護士”とは、
どういうことか。


この弁護士事務所では、
裁判に臨むための資料は、
すべてコンピューターがセレクトする。
それらが正しく組み合わされているか、
必要な資料が揃っているかを確認するのが、
”資料をチェックする弁護士”たちだ。


今までは資料を集めるのも弁護士(もしくはアシスタント)だったが、
今ではそれをコンピューターが代替しているということだ。

大幅に人員が削減されるだけでなく、
そのチェック結果が判決に繋がるので、
成績表が明確に出され、評価基準になっている。
ときには成績が悪いとクビにもなる。


この話によると、
すでに多くの弁護士という業務が、
コンピューターに代替されているという。

近い将来(いや、すでに………)
コンピューターやロボットに人間の仕事が代替されるのは
目に見えているわけだが、
以前に書いた記事で私は、
美容師という職業は残るだろうと予測した。

恐らく美容師という職業は
なかなかロボットには代われないと思うが、
だからと言って美容師という職業が安心なのだろうか


この予測をしたあとに、
もう少し深く妄想をしてみた。
するともうひとつの予測が見えてくる。


本当に、20年後、世の中の47%の仕事が
コンピューターに代替されたとしたら、
美容師の周囲もコンピューターが溢れるはずだ。
つまり、周囲の業務がコンピューターにより行われる、
もはや、それらが使いこなせないでは許されない。

先に挙げた弁護士の話で言えば、
クリエイションができる弁護士が生き残り
資料しか集められない弁護士は職を失う

つまり………、
人の心を読み取って、
ニーズと先読みを組み合わせて、
新しい価値をクリエイトできる美容師が生き残るのだが、
そこには必ずコンピューター、ロボットなどを
使いこなす能力は問われるはずだ。

IT技術を使いこなすことで、
新しい収益を生み出し、
今までこの業界になかった価値を創造する。
これができない美容師は、
資料チェックの弁護士と同じく、
ただ作業をするだけの美容師になる。

つまり、
これまで以上に、劇的に格差が生まれる。
価値を創り出して人間力が発揮できる美容師は、
これまで以上に高い所得を得ることになり、
作業するだけの美容師の収入は減少する。
そんな区別化がなされてもおかしくない。



150年前、人類に大きな難題を提供した
「リーマン予想」
は、つい最近(約40年前)、大きな進展を得た。
著名な数学者と著名な物理学者が、
ひょんなことで出会い、
雑談をしたことから数学と物理学の間に、
リーマン予想の解決のヒントが見つかったのだ。

数学と物理学は私みたいな文系人からすれば、
なんとなく同じような領域に思えるが、
その実はまったく交流がなくて、
理論自体も重ね合わせることはなかったらしい。

数学は計算式と結果とその証明。
物理学は現象を分析する学問。

この相容れなかったふたつの学問の、
意外な共通点を発見して、
それを組み合わせようと言うのは、
まさに人間のクリエイティビティにほかならない。

このように、
コンピューターにはできない創造、
私は”妄想”のほうが大事だと思うが、
人間らしい誤差の、
人間らしい創り出す発想力があるか、ないか。
これによって、
ロボットやコンピューターに代替されない、
そういう人間でいられるのだと思う。

では、代替されない美容師であるために
何をすれば良いのか。

多くの要素があるとは思うが、
私がもっとも大切だと思うのは
「教育」
だと思っている。

美容師としての技術を研鑽するのは当然のことだ。

ここでいう教育とは、
知識であったり、
幅広い経験であったり、
論理性であったり、
創造性であったりする。

個人的な考えだが…………

最近では、
ヘア技術に加えて、ネイル、アイラッシュ、
ヘッドスパ、マッサージ、エステなど、
多くの技術を幅広く学ぶことが求められているようだが、
私はその多くをすぐにでも中止したほうがいいと思う。
もしくはどれかに極力、絞るべきだろう。

そしてその空いた時間を、
人間力を高める教育に充てるべきだと思う。
高給取りのサラリーマンの多くは、
世界中の高級官僚は、
欧米のトップ大学で専門的な学問を学び直す。
つまり、仕事人として生きていくために、
学問は切っても切れないことの証左なのだ。

学校の勉強なんて仕事の役に立たない、
というのはある種の真実かもしれないが、
本当の勉強とは生きる助けになる。

もし今、周囲が勉強できる環境になければ、
独学でもいいので、すぐに勉強を始めて欲しい。
いざというとき、
それは20年後のことかもしれないが、
必ず美容師という職を助けてくれるに違いないから。



と、今日もとても偉そうに失礼致しました。。。。。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣



『仕事ができる美容師と、できない美容師、という話。』

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