知識人と美容師を繋ぐソーシャルウェブマガジン

美歴マガジン記事一覧 » 『2015年美容室業界で気になったことを5つのキーワードでピックしたみた、という話。』
2015.12.29 Tue
『2015年美容室業界で気になったことを5つのキーワードでピックしたみた、という話。』
サロンを変える
次世代型電子カルテアプリ『美歴』。
モニタリングサロン募集中。
http://bireki.jp/




確か昨年も書いたような気がするのだが、
もう憶えていない。

今年も、超勝手に、
2015年の美容室業界の動きをまとめなおしたい。
といっても、
これは私が見てきたことだけなので、
これが業界のすべてなんてことはない。
(え?そんなのはわかってるって?さすが)

5つのキーワードをピックして、
それぞれについて勝手な考察を入れる。
勝手な考察なので、
勝手に書いています。
ご容赦くださいませ。




(1)オンラインサロンビジネス

|美容師WEBビジネスのハシリ|

確か2年目を迎えるオンラインサロン「Multiverse」
air/LOVESTの木村直人さんとgricoのエザキヨシタカさんの
美容師ユニット”Multiverse(マルチバース)”による
会員制コミュニケーションサロン。

オンラインで木村さんとエザキさんの、
美容師としてのメソッドが惜しみなく披露される。

内容のオモシロさはさておき、
彼らのようなパーソナリティがある個人が、
このようなプラットフォームを活用して、
売上を高めていくことは価値が高い。

メンバーや内容、イベントも安定的になり、
具体的な収益は知らないけど、
お客様へのサービスという労働集約型売上だけでなく、
WEBを活用した売上はこれまでにない。
(商品などのロイヤリティはあったが……)

またマルチバースに参加している美容師たちにも、
WEBを中心とした費用対効果が出始めている。
ブログやホームページのリテラシー向上はもちろん、
技術やデザインなども大きな効果が出ていると聞く。

この美容師からの支持を元に、
マルチバースはさらに事業領域を拡大できる。
(あ、するかどうかは知りません。。)

ある種の業界内第三極的ポジショニングができる、
その可能性を大きく秘めている。
来年の動きは見逃せない。

|ブランディング王者が参入|

今年からマルチバースと同じ、
オンラインサロンプラットフォーム「シナプス」に、
有名サロン「AFLOAT」が参加した。

以前から、
「AFLOATみたいな人財豊富なサロンには
オンラインサロンは向いている」
という声はあった。

シナプスのほかのサロンを見ていても、
企業というより個人主催が多い。
フットワークや商品の魅力を考えれば、
個人力を発揮できる場であるのは明白。
そこに、会社として参入するのは、
マネジメントを考えるとハードルが高い。

しかし、AFLOATは参入した。
このフットワークの早さやスタッフ力は、
さすがと言わざるをえない。
やはり売れる企業ってのはこういうものか。

内容については、
私は見ていないので、
何も言うことはできない。

まだ始まったばかりなので、
模索の時期か。

オンラインでのコンテンツの創り方、魅せ方を、
AFLOATの社内に蓄積できていけば、
新しい可能性を広げることができるかもしれない。


このオンラインサロンビジネスは、
発信者の魅力や発信力、知名度が大きく関わる。
また直接対面ではないので、
「伝え方」の難しさも問われてしまう。
美容師さんが新たに参入するのは難しい。

ただ「オンラインでのビジネス」
という拡大解釈をすれば、
その視野は一気に開けるはずだ。

O2Oみたいなことが言われて久しい。
オンラインで情報発信して、
オフラインでお客様を刈り取る。
WEBで集客して来店してもらい、
そこでサービスを受けて収益とする。
この発想だけでは、
これまでの事業スタイルを越えない。

今後の美容室ビジネスは、
もっとオンラインでの収益化を目指さないと、
安定的な売上構造を得ることはできない。
そう考えさせるトピックだと思う。


(2)ヘアカタログ不要の本格化

ずいぶん前から言われている
「ヘアカタログ不要論」。

ここでいうヘアカタログは雑誌的意味合いだが、
今年は、本格的に紙としても、
WEBとしても不要になってきた、
と感じた1年だった。


ま、
ヘアカタログを作ってきた私が言うのもなんだが
正直、カタログだけなら不要だ。
ホームページを見れば載っている。
ホットペッパーでは日々、更新されている。
しかし、
そのヘアスタイルが自分に合うかは微妙。

|曖昧なトレンドという言葉|

これもずいぶん前から言ってきたが、
かつての”トレンド”はなくなってきていている。
もちろん”流行り”みたいなものはある。
そして、
その多くは”人”に紐づいている。


ここでいうとは、著名人であり、
最近では”美容師そのもの”ということも多い。

著名人インフルエンサーがしたヘアスタイルを、
そのままやりたい人は減っている。

今は、カスタマイズの時代だ。
自分らしくカスタマイズしたいのだ。
もしくはカスタマイズして欲しいのだ。
このカスタマイズ技術が問われていて、
それを発信するチカラも問われている。

それができる美容師は、
ほかの人より一歩抜きん出てきている。
それは表参道やら銀座やらに限らない。
全国各地で、
このカスタマイズパワーを持つ美容師がいる。
彼ら、彼女たちは、
そのエリアにて大きなチカラを持つ。
売上というひとつの基準を元にすれば、
抜きん出ていると言えると思う。


(3)アラサー経営者勃興期

アラサーの美容室経営者は、
きっと昔から多かっただろう。
若いうちに独立する人も多いので、
若い経営者が多くなる傾向にあると思う。

しかし、
一般企業、特にITに目を向ければ、
20代で時代の先端を走る経営者は多い。


|世代間のバトルと協調は面白い|

私のもとには色々な美容室経営者から連絡が来る。
今年、顕著に多かったのは、
アラサー〜30代中盤の経営者だ。
(もしくは独立志願者)

正直に言えば、独立はお勧めしていない。
普通の人が独立すれば、
それは大きなリスクとなることは、
私が経験してきたからだ。

しかし、
今年出会った若い経営者たちは、違った。
技術へのこだわりがありつつ、
経営者としてのビジネスマインドも強い。

周囲の大人からすば、それはそれで
「鼻につく」
のだろうが(笑)。

世代間を超えてバトルするのか、
協調路線になるのか、
もしくは、無視か(笑)。

私が見ている範囲は狭いので、
一概にすべてを語っていないが、
業界誌やヘア雑誌に出ている30代〜40代がいて、
その水面下で、
ヘアカタログなどには出ない、
若い美容師経営者たちが、
じっくりとチカラを溜め込んでいる、
そんな風に感じた。

彼らと話をしていると、
じわりじわり、
経営者として、そして
人としての知見を蓄えている。

そんな頼もしさと恐ろしさを感じる。
これは2年以内に大きく跳ねるのでは。
それを強く感じた今年の後半だった。


(4)クロスオーバーユニット

美容室業界の特徴として、
”団体”がたくさんあることが言える。

それ自体を否定するつもりはないし、
私もいくつもの団体に参加している。

ここ数年の流れとして、
より”実利”を着実に求める
”ユニット”が本格化した気がする。


マルチバースや東京BLENDは、
私から見れば、
しっかり実利を追っている。
また東京だけでなくとも、
全国各地に、30代を中心として、
実利実益を念頭においたユニットが増えている。

彼らはリアルに利益(お金だけでなく)を追究し、
未来を創り出そうとしている。
そのために会社や店舗という枠を、
軽々と飛び越えている。


|ユニット結成後の動きが重要|

私が期待するのは、
もっとこういう動きが大きくなっていき、
異業種の業界からビジネスオファーが増えること
小さな集まりではビジネスにならない。
それなりの規模感と、
彼らなりの世界観が明確であれば、
それはビジネス展開できる。
労働集約型から拡大するのであれば、
この動きに逆行するのは恐ろしい。

またビジネスだけでなくとも、
デザインや技術という側面でのチームも、
新しい動きをしている。

haircatalogue.jpが、
ビジネス面でどう展開するかはわからないが、
彼らのステージは新しい時代の側面を感じた。
(偉そうですいません。)

言い方は悪いが、”お金になる”と、
美容室業界以外の人が感じるのに十分だった。

お金に換える、なんてのは方法論にすぎない。

その可能性の端緒を導きだして、
実際にお金に換えることができるか。
私が勝手に名付けたこのユニットが、
業界を超えてクロスオーバーしたとき、
大きな影響力をもたらすだろう。


(5)パーソナルパワー


簡単に言えば個人力。
(おいおい、なんで横文字にした?)

こんなことはこれまでも言われてきた。
しかも、美容室業界だけのことではない。
多くの業界が個人の力を感じる時代。
情報も個人が発信し、個人で受け取れる。

アフリカの人と東京の人が同時に同じ情報を得る。
いや、
もしかしたら、英語が話せない分だけ、
東京の方が情報獲得量は少ないかもしれない。

簡単に、とは言わないが、
個人が大きなチカラを持つことができる時代。
欧米の大国とテロとの戦いを見ても、
方法論的に言えば個人の力を見せつけられている。
(対立の本筋はイデオロギーや宗教かもしれないが)


2015年、
”個人の力”を感じた美容師さんは多いと思う。
たとえ「俺は片田舎に住んでる」と思っていても、
デジタルで個人力を培うことができれば、
大きな影響力を持つことができてしまう。
美容学生さんでも、
業界内で著名人になれてしまう。


|意識の変革を|

私よりずいぶん上の年代の方に聞かれる。
「あの○○○くんってどこ(サロン)の出身なの?」



聞かれて困る。
いやぁ、Twitterとかブログが面白いだけで、
そんなことは考えたこともない。


というより、
もはやそんなことは関係ないのかもしれない。
所属や出身地、つまり出自が気になるのは、
もしかしたら旧世代の考え方なのかもしれない。
(私も聞いちゃうことがあるが………)

これからはもっと個人力が問われて、
その個人力を活かせることが、
美容室経営に求められるのかもしれない。



最後に。
世の中は大きな変化の時代を迎えている。
それはみんな感じている。
ここに挙げた5のキーワードは、
その変化から考えたらごく一部にすぎない。
しかし、
その変化を感じ取って進化しようとしている、
そんな人たちを見て、
私は今年の流れを感じたのかもしれない。

私はちょっと前向きに捉えている。
なんか、面白くなっている気がしている。
美容室業界はもっと大きくなれる、
そんな気がしている。
経済を引っ張れる業界になれる、
そんな気がしている。

その一助になりたい。


明日は、2016年を勝手に予測します。



今日は、本当に偉そうでごめんなさい。
師走ってことで許してください。



株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣




『サロン運営の目標管理』美容室経営の目標管理 ~繋がり力経営のすすめ~(第9回)

『商品を勧める前に立ち止まりたい最低限の思考法、という話。』

『掲載料と集客数は相関関係なのか、因果関係なのか、という話。』

『自民党と強い美容室に共通のフレームワーク』

『サロン経営の目標管理』美容室経営の目標管理 ~繋がり力経営のすすめ~(第8回)