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 有料 2015.06.11 Thu
『なぜ、理美容業界の規制が緩和されないのか、という話。』



従業員全員が、
理容師と美容師免許を持っていれば、
兼業できるように規制が緩和されるようだ。


先日、内閣府の規制改革会議にお呼び頂き、
出席し、発言する機会を得た。

そのときの感想を率直に言うならば、
業界規制(法律)を作っている国会議員は、
業界の現実をあまり知っておらず、
厚生労働省はできるだけ規制することで、
大きなトラブルを発生させたくない、
という空気感だ。

ま、担当官庁としては、
問題が起これば批判が発生するので、
規制で縛っておきたい気持ちはわかる。

この会議での委員のみなさんの反応を見ると、
「理美容業界ってまだそんな感じなの?」
という風に受け取れた。
50年前と何も変わってないんですね、
それがみなさんの感覚だったのではないだろうか。


では、なぜこれらの規制が緩和されないのか。
いくつかのポイントがあると思う。
勝手な私の意見なので正しいかわからないが、
列挙してみたい。

私が厚労省の担当者なら、
以下の点から規制緩和に後ろ向きになってしまう。

(1)市場からの必要性を感じられないの。
(2)ちょっと信用できないかも。
(3)管理できていないよね。

表現を緩くしてみたが(笑)。
さて、詳しく説明したい。



(1)市場からの必要性を感じられない。

規制を緩和するとき、
もしくは新しい規制を作るとき、
それは市場からの要請で動くことが多い。

例えば………、
市場がドローンを求めれば、
それをどのように使っていくのか。
経済活動にどのように生かしていくのか。
そしてどこまで規制するのか。
現在、議論されているところだ。

DeNAが実行したがっている無人タクシーも、
Googleが研究している無人自動車も、
今、世界中でどのように規制するべきか、
もしくは規制しない範囲はどこか。
議論されている。

もともとソフトバンクは、
規制との戦いの歴史から始まったと言って良い。
それまで使われていなかった、
総務省の管理下にあった電波帯を解放させることで、
ソフトバンクの携帯電話は繋がりやすくなった。

つまり市場からの要請がない限り、
既存の規制を緩和する必要性がないのだ。
そのために必要なのは、
意見を声高に叫ぶだけではなく、
経済活動と連動するべきなのだ。

経済活動の需要が高ければ、
多くの人たちが参加する。
そうなれば規制することよりも、
経済活動を促進した方が、
国家のためになる、
という判断も生まれる。
そして新しい、現実的な規制に変更される。
……はずだ。

理美容業界では、
そのような市場の要請がないので、
厚労省はわざわざ動く必要がない、
と判断しているのではないだろうか。
(要請が一部企業からだけで、
業界団体の反対があれば、まさに不要となる)

(2)信用されていない。

「あれをやっちゃダメ」「これもダメ」
というのは、
お母さんが子どもに言う台詞だ。
規制が多い業界というのは、
管理責任者(管轄官庁)から信用されていない証拠だと思う。

救急医療の現場も実は信用されていなかったのだと思う。
しかし、高まる必要性に合わせて、
救急車での医療が徐々に認められて、
それにあわせた法整備がなされてきた。

では、なぜ理美容は信用されないのか。
正直に言えば、偏見もあるのだと思う。
見た目とか?
かっこいいし、美人が多いから嫉妬か?
(ま、それはないだろうが………)
また若い人が多いという印象も強い。
就業者の平均年齢が26歳前後というのは、
とても若い業界だと受け止められているはず。

理美容業に大企業が少ないことも、
その理由の一つかもしれない。
規制改革会議には大学教授や医師などのほかに、
大企業の社長や役員が多く招集されている。
そこに呼ばれるような影響力のある企業というのは、
規制緩和に大きく作用するはずだ。


(3)管理できていない。

理美容室で30万店舗前後の保健所登録。
この数は、どの業界をも凌駕する数だ。

これらのお店がどのように管理されているのか。
ちょっと具体的にはわからないのだが、
恐らく各地域の保健所が管轄しているのだろう。

厚労省の通達は、保健所に対して行われる。
保健所は法律と通達に合わせて管理を実施する。
以前の新聞報道にもあったように、
保健所の判断によってその運用は違う。
緩いところもあれば、厳格なところもある。

こんな管理がバラバラであっては、
一斉運用の規制を緩和するのはリスクが高い。
(責任は保健所に押し付けられても、
規制を作った責任は厚労省が問われる可能性が高い)

この現状で、みんなに勝手に動かれたら、
トラブルが発生するリスクは高まる。
それでは規制緩和できない。

理美容業界の現実はわからないが、
すべての美容室、理容室が加盟しているような、
そんな圧倒的な団体はあるのだろうか。
「一般社団法人 日本自動車工業会」のような。
ディーラーさんやメーカーさんではなくて、
美容室企業、理容室企業だけの団体。
そして、
それは技術ではなく、ビジネスとしての、
もしそのような団体があって、
管理及び通知などを請け負ったとするならば、
厚労省や保健所も、全国一律に改革を実施できると思う。


と、まぁ、私が厚労省の担当者だったら、
というただの妄想での意見なので、
「はいはい」
と読み流してもらえれば………。
(恐らく縁の下で努力されている人も多いと思うので)

この3つのなかですぐにチャレンジできることはないか。
それは(1)だろう。

極端な話だが、
10店舗くらいの美容室がGoogleと連携、
もしくはGoogleの傘下に入って、
新しい事業展開をする。

もしくはソフトバンクに買収してもらい、
美容専業ではない事業体を目指す。

そういう声の大きな企業と組むことで、
市場の要請として意見を発信することができる。

そして、そのような新しい動きを、
同業者が無自覚に批判しない空気。

これが業界の改編になる第一歩なのではないだろうか。


と、超偉そうに、失礼致しました。
ただの妄言ですので、お許しください。




株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣





「美容室のウェブサイトに必要なのは莫大なアクセス数ではなく……、という話。」