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 有料 2015.04.26 Sun
『美容師だから勉強なんて必要ない、と言われたときの私の回答、という話。』




「なんでこんなに頑張らないといけないのか」


私は若い美容師さんと飲みに行くと、
もっと練習した方が良い、
もっと勉強した方が良い、
もっと広い世界を見た方が良い、
もっと新しい体験をした方が良い、
もっと苦難にぶつかった方が良い、
なんてことを偉そうに言うことがある。


このとき相手の反応は大きく2つにわかれる。
上昇志向があって「勉強します!」という人。
もうひとつは、これ以上、上昇したくない人。


「練習した方が良いのは分かります、
だって売上に繋がるから。
でもなんで勉強しないといけないんですか?
なんで広い世界を見ないといけないのか?」

と純粋に聞かれることがある。
(勉強がしたくないから、ではなくて)

「今の生活に満足しているから、
これ以上、勉強しなくてもいいです。
そんな向上心がある人ばかりじゃないんです」

と言う人もいる。

確かに心情的にはそうかもしれない。

ただ、今の生活を維持したいのであっても、
私は勉強した方が良いと伝える。

いつ何時、予測不可能なことが起こるかわからない。
突発的な出来事は、あなたの予定に合わせてくれない。
思いがけないことが起こったとき、
それまで維持してきた生活が崩れるときがある。


かつて私は落ちるところまで落ちて、
色々な意味で、
ギリギリのところまで追い込まれたことがある。

今、思えば、
当時、上昇志向もあったし、成功願望もあったけど、
己のための勉強を怠ってきた。
その結果、思いがけないことが起きたとき、
それに対応する能力が著しく欠落していた。

もっと知識や経験、違う世界からの視点があれば、
あそこまで追いつめられることはなかったはずだ。

今の生活を維持するだけで良いという人。
その生活よりも、もっと過酷な状況は、
残念ながら、この世界にはある。
その世界に堕ちないためにも、勉強はしたほうがいい。

反対に上昇志向がある人。
この人たちのなかにも、
勉強をすることや、
意図的に苦難へ立ち向かうことを、
本質的に理解できていない人が多い。

人生を上昇させるために、
なぜ勉強しないといけないのか
なぜ知識をつけないといけないのか
なぜもっと頑張らないといけないのか………。

私の少ない人生経験から言うと、
世界は平等ではなくて、
世の中は不条理で出来上がっている。

人間として上下関係はないかもしれないが、
それぞれのステージでコミュニティがあり、
一旦、そのコミュニティに入ると、
なかなか抜け出せない。

高収入なコミュニティ、
学術的なコミュニティ、
アーティスティックなコミュニティ、
社会を動かすコミュニティ、
オシャレなコミュニティ、
搾取されるだけのコミュニティ、
社会からはじかれたコミュニティ………。

人の上に、人の下に人はいないけど、
所属しているコミュニティよりも、
上級だと思うコミュニティに入るには、
人並み以上の知識と努力が求められる。

この世の中は、
何もしない人間には平等ではないのだ。

どん底にいたころ、
「知識と経験と他人以上の努力」
がなければそのステージから
抜け出せないことを痛感した。

今、もし、もがいている若い人がいれば、
私はこう言いたい。
もっと勉強しよう、
もっと経験しよう、
もっと体験しよう、
もっと実行しよう、
もっと苦しもう、

そして最後に、
もっと頑張ろう。

頑張るのは最後でいい。
最初から頑張ると息切れしてしまう。
勉強や経験を蓄積させていき、
最後の一踏ん張りが頑張り時だ。

隣で休んでいる人がいるときに、
休みたい気持ちを抑えて、
”頑張って”努力することができれば、
そのステージから次のステージに
抜け出すことができるのだから。



と、
とっても偉そうに普通のことを言って、
すいませんでした。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣


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