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2015.03.08 Sun
『経営ってのは、ある種の推理小説に似ているのかもしれない、という話。』




[積み重ねることで見えなくなる]

売上というのは、
ひとつひとつの積み重ねです。

美容室で言えば、
ひとりのお客さん、
1回のカット、カラー、
そういう施術が積み重なって、
お店全体の売上になり、
会社の売上になっていきます。

ただ経営の部分で言うと、
積み重ね型の計画は、
すでに計画ではなくて、
進捗が遅れたとき、
その対策も遅れると思います。

では、どのように考えるべきか。

これは、私がしがないダメ経営者だった
過去の経験からの私見です。


[逆算式の経営計画を。]

特に技術系企業の場合、
積み重ね式の経営発想ではなく、
まずゴールを決めてから、
逆算式の経営計画であるべき、
だと思っています。


過去の自分に問い合わせてみると……、

このスタッフが育ったら、
彼の売上がここまできたら、
店の売上がこうなったら、

みたいなカタチで考えていた。
これだと、
そこまでいきつかないと、
次のステップにいかない。
いや、いけない。


[明確な問題点は4つ]

この場合の問題点は、
いくつかあります。


(1)売上目標は高めに設定されている。

目標が高いことはいいのです。
ただ、
目標数値がアンカリングされているので、
これがクリアされないと次にいけない、
ゆえに、微妙に、少しずつ達成が遅れる


(2)修正しにくい

達成しなかったとき、
抜本的な目標の修正がしにくい。
積み上げ式だと、
そこに達成しなかったのは、
努力が足りないという意識が出やすい。
達成するまでがんばろう。
という方向性に向かいやすく、
目標を修正することは、
経営の失敗に思えるので修正しにくい。


(3)改善策が出にくい

達成しなかったとき、
改善策を出せればいいのですが、
これがなかなかでにくい。
意識がアンカリングされているので、
どうやって数値を達成するか、
にフォーカスしてしまう。

すると、
割り引き、広告など、
資金をかけてお客を集める方法に、
どうしても執着してしまう。
この方法が長期的に見て、
解決策になっていないことに気づけない。


(4)問題の原因が見えにくい

推理小説の王道でもありますが、
「そこにあるもの、見えるもの」
に目を奪われてしまうのではなく、
「そこにないもの、見えないもの」
にこそ、答えへの糸口があるもの。

なぜ売上が達成できなかったのか。
達成のための方法は見えやすい。
割り引きして、
お客を単純に喜ばせれば良い。
しかし、
なぜ達成できなかったのか、
その要因は見えていない。
この見えない要因にこそ、
推理小説の答えはあるのです。


[事業計画はひとつの道しるべ]

年間や3カ年の事業計画を作ること。
なぜ、私が必要だと思うのか。
それは、
この計画を策定しておくと、
不思議なことに、
ある種の安心感があるのです。

徹底的に妄想して、
想像を張り巡らせた計画であれば、
この不思議な安心感は増します。

そして達成できなかったとしたら、
その要因を考えるのが先にきます。
どんな推移で事業が進んでいるのか、
それも見えてきます。

そして目標達成の方法が変わります。
逆算式というのは、
年間、月間、週間、そして、
1日、10時間、1時間………。

そこまで仕事を細分化することができ、
1時間、30分、10分に対する、
時間価値を高めることにまで落とし込めます。

今、思い返せば、
経営者としてだけでなく、
技術者としても能力がなかった私は、
あの当時に、
この方法を知ることができたら、
もう少しマシな仕事ができたのに、
と反省するばかりです。


最近では、
多くの美容室経営者のみなさんから
経営支援やアドバイスを求められます。
偉そうですが………。
どんなことでもいいので、
少しでもお役に立てれば、と思っています。


と、今日も偉そうに、
失礼致しました。


株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣
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株式会社パイプドビッツ
美歴カンパニー
美容師名鑑編集部 BirekiMagazine編集部
兼任編集長 石渡武臣